2009'01.07 (Wed) 00:22
魚の話
ブログ上でもたびたび披露しているように、私は釣りが大好きです。
それもスポーツとしてのフィッシングが好きなわけではなく、魚そのものへの興味故であるといえます。
もともとがスポーツと呼ばれるものは少し苦手で、家の中で図鑑ばかり読んでいる、といった少しオタクが入った子供だったようですし(w)
我が家の発掘現場から今回もその手の文献が見つかったので、ヒトへの道を体系的に追ってみる気になった。
これは第2弾、脊椎を得た動物がどのように進化していくかを追ってみた。
脊椎を持った生物 初期のモンスター達
脊椎を持った生物はいよいよヒトへの道を歩き始める。おおげさかな?
脊椎動物と無脊椎動物を分ける境界型の生物は,一方ではナメクジウオのような原索動物。脊椎動物側では無顎類と言われる顎のない魚であった。
化石としての最古の魚は、アナトレピスと呼ばれる無顎類で5億1千万年前に棲息していた。
この末裔が延々現世まで生き残ってヤツメウナギのような円口類となる。
ご存知のように、俗にヤツメウナギの目と言われる穴は実際には鰓で、その再前方の鰓がやがて顎に変化していく。これらの魚たちは無顎類に対し、顎口類と呼ばれた。
その後顎のある魚、顎口類と呼ばれる魚たちが進化してくる。
顎口類として最初に登場するのは棘魚類とよばれるグループである。この魚は、進化のかなり初期に現れたにもかかわらず後の硬骨魚類に通じる洗練された形態を備えていた。説によれば、軟骨魚類から進化した硬骨魚類の姉妹群とも言われているので、最初かどうかはわからないのだが。
よく図鑑で見るのは、棘で覆われたイワシのような魚、現在見てもあまり違和感はない。多くは小さなイワシ大の魚として紹介されているようだが、中にはモンスター級のおおきさの部分化石も見つかっているとの事。
一方で軟骨魚類と板皮類と言われる魚達が分岐してくる。
確実ではないが、この2種は無顎類の空鱗目の同一の祖先を持つともいわれる。軟骨魚類は言わずと知れた現世のサメ、エイの祖先の事である。
これはこれで1冊書けるほどの進化を遂げるが、また別の機会に。
個人的に大好きなのは板皮類で、有名なディニクチス、ダンクレオティウスなどはまさにモンスター。歯としての牙は無いが、頭骨が牙様に伸びすごい形相の魚である。強肉食性で大きさも8mくらいあったという。
まあ、釣るならムロアジの1本がけってところかな。でも鰭の形状から見ると、大きさはすごいが引き自体は鈍重かな、やたらタフなだけって気もするが。
こんだけすごいやつだが、デボン紀末の大絶滅で地上から姿を消してしまう。
食卓に上る魚のルーツ
そして、やがて硬骨魚類が現れてくる。
本当の所、硬骨魚類がどこから進化したのかはわかっていない。
形質的に類似性の強い棘魚類という説もあるが、全ての硬骨魚類の祖先を、うろこの特徴や歯の構造等から見て、シルル紀後期のロフォステウス様目と呼ばれる小さな分類単位に求める説が、西オーストラリア博物館のジョンロングという人から提唱されている。
さて硬骨魚類ですが、白亜紀にもなると、現在の魚達がずいぶん表れてくる。浅い海を泳ぐキンメ、とかシロナガスクジラ大のリードシクティスとか、釣り師として考えるとちょっと愉快である。
私は趣味が釣りなものだから、ふだん釣行のおりに目にする魚達のルーツが気になっている。
およそ我々釣り人がお目にかかれる魚類といえば、硬骨魚類、それも進化した真骨類がほとんどである。
それ以外の魚類を対象とした釣りはいったいどのくらいあるのだろうか。
開高健の著作でも紹介されるチョウザメは軟質類の現生におけるレリックである。
日本では嫌われる鮫も、海外ではシャークハンティングとして意外にメジャーに行われているが、これは軟骨魚類である。
今はもう身売りしてしまった釣具メーカーR社の肝いりでラティメリア釣りが映像に撮られたこともあった。
まあ、数えてみてもこれくらいのもので、ようするに、我々の釣りのほとんどが硬骨魚綱条鰭亜綱真骨下綱などという類いの魚を相手にしているということになる。
それでは、このようなアジやサバ、タイなんて魚がいつごろ出現したのかというと、あまり気にされることは少ないようだ。
ましてやそんなことを気にして釣っている釣り人なんて、あまりいないだろう。でも、キンメダイが白亜紀の海を泳ぎ回っていたなんて考えると面白くないだろうか?
釣り人は釣ってるときは水の中のことばっかり考えている。
もし釣り人が突然白亜紀の海にタイムスリップしたとしても、そんなに違和感は感じないかもしれない。
真性硬骨魚類(現世の当たり前の魚)が出現する前に、少し変わった硬骨魚類が表れる。
軟質類、これは現世のチョウザメの仲間
硬鱗類、ガーパイク、アミアカルバ等。
鱗にエナメロイドを含み、歯の起源を考える上で興味深い。
この2種と真性硬骨魚類を含んだグループを条鰭類と呼ぶが、これと並列に分かれて来たグループに、肉鰭類と肺魚類がいる。
これらは次のステージ、陸上への進出に大きく関わってくるが、
そのお話はまた後で。
そして真性硬骨魚類。
まずはニシン目、まあイワシですね。ここから始まります。
魚の原型のようなイワシ、それとその仲間、南の海に多いソトイワシの仲間。
クリスマス諸島で有名なボーンフィッシュですね。
これらが先ず条鰭類として出現してきますが、おもしろいことに、
ウナギも実はこのへんから、比較的初期のうちに分岐しているようです。
成魚としては似ても似つかないが、幼魚はいわゆるシラス、レプトケファルスという形態をとることはイワシ等と一致している。
このへんからお里が知れるというものですね。
そういえば、鶴見の「とっくり」のお通しにはノレソレ(穴子の幼態)
がポン酢で出るな。立派なレプトケファルスでした。
ちなみにイワシ、ニシンが出現するのは白亜紀前期(1億4千万年前)
ウナギは白亜紀後期(1億年前)
つぎに分岐してくるのは骨鰾上目。
これはコイ、ナマズ、ドジョウなどを含む、なぜか淡水産に多いグループ。
続いて、源棘鰭条目。
これはサケ、マス、アユ、シシャモなどを含むグループ。
意外に原始的な形質をお持ちだったようで。
白亜紀前期には顔を出している。
つづいて、側棘鰭上目。
タラの仲間ですね。
顔を出すのは、第三紀暁新生に入ってから。
そして最後に棘鰭条目。
暁新生ころ、カサゴ目や最大の現代グループ、スズキ目を含む。
そしてさらにそれから、カレイやフグが分岐してくる。
フグって進化の果ての魚だったのね。
そのわりには白亜紀末期には顔を出しているけれど。
魚の分類、系統を述べてきたが、
ある魚を見たとき、それが古い形質の持ち主かどうかを見極める方法がひとつある。
腹鰭の位置を見てみることだ。
進化したスズキ目は腹びれの位置が鰓側寄り、というか鰓後方の胸びれの直下に着いている。
それより形質の古い魚はずっと後方、肛門と鰓の中間くらいについている。
もしそういう魚が食卓に上がったら、(例えばしゃけ)
ああこいつは白亜紀からいるんだな、
熊の代わりにスピノサウルスあたりに取られていたかもしれない、
なんて、思いを馳せていただきたいと思う。
自分で描いたイラストも出したいんですが、間に合わないので
とりあえずここでそのお姿を確認してみてください。
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5218/
魚の系統をざっと辿ったが、
魚から人への道は硬骨魚類で、条鰭類と並列に分類される
肉鰭類、肺魚類という種の一部から再び始まる。
傍系ではあるが、有名なラチメリア、シーラカンス等の話である。
おっと、これはそんな本かな、
また発掘しました,
ジェニファ・クラック著「手足を持った魚たち」
この話はまたいずれ。
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ブログ上でもたびたび披露しているように、私は釣りが大好きです。
それもスポーツとしてのフィッシングが好きなわけではなく、魚そのものへの興味故であるといえます。
もともとがスポーツと呼ばれるものは少し苦手で、家の中で図鑑ばかり読んでいる、といった少しオタクが入った子供だったようですし(w)
我が家の発掘現場から今回もその手の文献が見つかったので、ヒトへの道を体系的に追ってみる気になった。
これは第2弾、脊椎を得た動物がどのように進化していくかを追ってみた。
脊椎を持った生物 初期のモンスター達
脊椎を持った生物はいよいよヒトへの道を歩き始める。おおげさかな?
脊椎動物と無脊椎動物を分ける境界型の生物は,一方ではナメクジウオのような原索動物。脊椎動物側では無顎類と言われる顎のない魚であった。
化石としての最古の魚は、アナトレピスと呼ばれる無顎類で5億1千万年前に棲息していた。
この末裔が延々現世まで生き残ってヤツメウナギのような円口類となる。
ご存知のように、俗にヤツメウナギの目と言われる穴は実際には鰓で、その再前方の鰓がやがて顎に変化していく。これらの魚たちは無顎類に対し、顎口類と呼ばれた。
その後顎のある魚、顎口類と呼ばれる魚たちが進化してくる。
顎口類として最初に登場するのは棘魚類とよばれるグループである。この魚は、進化のかなり初期に現れたにもかかわらず後の硬骨魚類に通じる洗練された形態を備えていた。説によれば、軟骨魚類から進化した硬骨魚類の姉妹群とも言われているので、最初かどうかはわからないのだが。
よく図鑑で見るのは、棘で覆われたイワシのような魚、現在見てもあまり違和感はない。多くは小さなイワシ大の魚として紹介されているようだが、中にはモンスター級のおおきさの部分化石も見つかっているとの事。
一方で軟骨魚類と板皮類と言われる魚達が分岐してくる。
確実ではないが、この2種は無顎類の空鱗目の同一の祖先を持つともいわれる。軟骨魚類は言わずと知れた現世のサメ、エイの祖先の事である。
これはこれで1冊書けるほどの進化を遂げるが、また別の機会に。
個人的に大好きなのは板皮類で、有名なディニクチス、ダンクレオティウスなどはまさにモンスター。歯としての牙は無いが、頭骨が牙様に伸びすごい形相の魚である。強肉食性で大きさも8mくらいあったという。
まあ、釣るならムロアジの1本がけってところかな。でも鰭の形状から見ると、大きさはすごいが引き自体は鈍重かな、やたらタフなだけって気もするが。
こんだけすごいやつだが、デボン紀末の大絶滅で地上から姿を消してしまう。
食卓に上る魚のルーツ
そして、やがて硬骨魚類が現れてくる。
本当の所、硬骨魚類がどこから進化したのかはわかっていない。
形質的に類似性の強い棘魚類という説もあるが、全ての硬骨魚類の祖先を、うろこの特徴や歯の構造等から見て、シルル紀後期のロフォステウス様目と呼ばれる小さな分類単位に求める説が、西オーストラリア博物館のジョンロングという人から提唱されている。
さて硬骨魚類ですが、白亜紀にもなると、現在の魚達がずいぶん表れてくる。浅い海を泳ぐキンメ、とかシロナガスクジラ大のリードシクティスとか、釣り師として考えるとちょっと愉快である。
私は趣味が釣りなものだから、ふだん釣行のおりに目にする魚達のルーツが気になっている。
およそ我々釣り人がお目にかかれる魚類といえば、硬骨魚類、それも進化した真骨類がほとんどである。
それ以外の魚類を対象とした釣りはいったいどのくらいあるのだろうか。
開高健の著作でも紹介されるチョウザメは軟質類の現生におけるレリックである。
日本では嫌われる鮫も、海外ではシャークハンティングとして意外にメジャーに行われているが、これは軟骨魚類である。
今はもう身売りしてしまった釣具メーカーR社の肝いりでラティメリア釣りが映像に撮られたこともあった。
まあ、数えてみてもこれくらいのもので、ようするに、我々の釣りのほとんどが硬骨魚綱条鰭亜綱真骨下綱などという類いの魚を相手にしているということになる。
それでは、このようなアジやサバ、タイなんて魚がいつごろ出現したのかというと、あまり気にされることは少ないようだ。
ましてやそんなことを気にして釣っている釣り人なんて、あまりいないだろう。でも、キンメダイが白亜紀の海を泳ぎ回っていたなんて考えると面白くないだろうか?
釣り人は釣ってるときは水の中のことばっかり考えている。
もし釣り人が突然白亜紀の海にタイムスリップしたとしても、そんなに違和感は感じないかもしれない。
真性硬骨魚類(現世の当たり前の魚)が出現する前に、少し変わった硬骨魚類が表れる。
軟質類、これは現世のチョウザメの仲間
硬鱗類、ガーパイク、アミアカルバ等。
鱗にエナメロイドを含み、歯の起源を考える上で興味深い。
この2種と真性硬骨魚類を含んだグループを条鰭類と呼ぶが、これと並列に分かれて来たグループに、肉鰭類と肺魚類がいる。
これらは次のステージ、陸上への進出に大きく関わってくるが、
そのお話はまた後で。
そして真性硬骨魚類。
まずはニシン目、まあイワシですね。ここから始まります。
魚の原型のようなイワシ、それとその仲間、南の海に多いソトイワシの仲間。
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これらが先ず条鰭類として出現してきますが、おもしろいことに、
ウナギも実はこのへんから、比較的初期のうちに分岐しているようです。
成魚としては似ても似つかないが、幼魚はいわゆるシラス、レプトケファルスという形態をとることはイワシ等と一致している。
このへんからお里が知れるというものですね。
そういえば、鶴見の「とっくり」のお通しにはノレソレ(穴子の幼態)
がポン酢で出るな。立派なレプトケファルスでした。
ちなみにイワシ、ニシンが出現するのは白亜紀前期(1億4千万年前)
ウナギは白亜紀後期(1億年前)
つぎに分岐してくるのは骨鰾上目。
これはコイ、ナマズ、ドジョウなどを含む、なぜか淡水産に多いグループ。
続いて、源棘鰭条目。
これはサケ、マス、アユ、シシャモなどを含むグループ。
意外に原始的な形質をお持ちだったようで。
白亜紀前期には顔を出している。
つづいて、側棘鰭上目。
タラの仲間ですね。
顔を出すのは、第三紀暁新生に入ってから。
そして最後に棘鰭条目。
暁新生ころ、カサゴ目や最大の現代グループ、スズキ目を含む。
そしてさらにそれから、カレイやフグが分岐してくる。
フグって進化の果ての魚だったのね。
そのわりには白亜紀末期には顔を出しているけれど。
魚の分類、系統を述べてきたが、
ある魚を見たとき、それが古い形質の持ち主かどうかを見極める方法がひとつある。
腹鰭の位置を見てみることだ。
進化したスズキ目は腹びれの位置が鰓側寄り、というか鰓後方の胸びれの直下に着いている。
それより形質の古い魚はずっと後方、肛門と鰓の中間くらいについている。
もしそういう魚が食卓に上がったら、(例えばしゃけ)
ああこいつは白亜紀からいるんだな、
熊の代わりにスピノサウルスあたりに取られていたかもしれない、
なんて、思いを馳せていただきたいと思う。
自分で描いたイラストも出したいんですが、間に合わないので
とりあえずここでそのお姿を確認してみてください。
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5218/
魚の系統をざっと辿ったが、
魚から人への道は硬骨魚類で、条鰭類と並列に分類される
肉鰭類、肺魚類という種の一部から再び始まる。
傍系ではあるが、有名なラチメリア、シーラカンス等の話である。
おっと、これはそんな本かな、
また発掘しました,
ジェニファ・クラック著「手足を持った魚たち」
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